【今回のテーマ】
火災保険の契約期間が5年に短縮?保険料も値上げへ…
台風や集中豪雨による大きな被害が毎年のように報道されています。
今年も8月に停滞する前線の影響で大雨が降り、全国で土砂災害や水害による被害が相次ぎました。
そこで今回は、水災への備えにもなる火災保険について、今後の動向も含めて考えてみます。
火災保険の保険料は、「損害保険料率算出機構」が、損害保険各社が過去に支払った保険料などをもとに算出する「参考純率」を目安に決定されます。
自然災害の増加に比例するように火災保険料は値上げ傾向にあり、契約できる保険期間もどんどん短縮されてきています。
住宅向け火災保険の契約期間は、2022年に、現行の10年間から5年間に短縮される見込みであることが報じられました。
2015年10月までは最長36年間の長期契約が可能だったことを考えると、火災保険の保険期間はこの数年で30年以上短縮されることになります。
それは長期間、保険料を固定することが保険会社の収益を圧迫する可能性があるためなのですが、契約者にとっては、値上げの機会が増えることになりますので、当然、保険料の負担は増てくると思われます。
そもそも火災保険とは?
火災保険では、火災、落雷、破裂・爆発といった事故で建物や家財が被害を受けた時に補償されますが、他にも風災、雪災、雹(ひょう)災、水災などの自然災害による被害や、盗難や破損・汚損等も契約内容により補償対象となります。
なお、火災保険では地震や噴火、津波による被害は補償されません。
火災保険の保険料について
火災保険料は次の項目などによって決まります
■建物の構造
建物構造は次の3つに分類されています。
M構造(鉄筋コンクリート造等で、マンションなどの共同住宅)
T構造(耐火構造、準耐火構造)
H構造(木造など)
■築年数
一般的には築年数が浅いほど、保険料が安くなります。
保険会社の中には「築浅割引き」制度を設けているところもあります。
■住んでいる地域
都道府県別に保険料の基準が設定されています。
台風や大雪の被害を受けやすい地域は、そうでない地域に比べて保険料が高く設定される傾向にあります。
■補償内容
カバーする補償内容が多ければ多いほど保険料が高くなります。
■保険期間・支払い方法
火災保険の保険期間は1年~最長10年間で、保険期間が長ければ長いほど保険料は安くなります。
また、年払いや月払いよりも、一括払いで支払ったほうが保険料は安くなります。
このように、火災保険の保険料はさまざまな要素やその組み合わせによって物件ごとに異なります。
値上げ予定の火災保険料対策について
住んでいる場所、補償内容を変えずに出来るだけ火災保険料の負担を少なくするには、なるべく長期契約で加入することです。
それは1年契約より複数年契約のほうが、割引率が高いからです。
保険期間が5年に短縮される前に、なるべく長い期間で契約することで保険料の支払総額を抑えることができます。
また、これを機会に補償内容や建物の保険金額を見直すこともお勧めします。
不要な補償を外したり、保険金額を見直すことで保険料を節約出来る可能性もあります。
ただし、保険料の安さにこだわるあまり、十分な補償が得られなくなっては本末転倒です。
火災や自然災害などの被害を受けたときに、どのような補償がどのくらいあればスムーズに日常生活を取り戻すことができるのかをよく考えた上で、火災保険を選ぶようにしましょう。